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最高裁判所第二小法廷 昭和24年(オ)295号 判決 1960年10月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人竹内信一の上告理由について。

上告人は原審において、上告人組合の本件訴訟における「正当な当事者」としての適格を有する理由として、労働組合は、その組合員の使用者に対する労働契約上の権利を保護伸長することを目的とするものであるから、組合はその本質上当然その独自の権利として自己の名をもつて組合員が使用者に対して有する労働契約上の権利を行使することができる。それで上告組合は、さきに、被上告会社から解雇された組合員三名が仮に被上告会社の従業員たる地位を有することの仮の地位を定める仮処分を求めることができる旨釈明したことは、原審における口頭弁論調書並びに原判決の事実摘示に徴して明瞭である。

とすれば、原判決が、労働組合は、組合員たる労働者が使用人に対して有する労働契約上の権利について労働組合の名において訴訟を追行する権能はないとして、本訴における上告人の「正当な当事者」たる適格を否定したのは正当であつて、論旨は理由がない。(昭和二六年(ク)第一一四号、同二七年四二日大法廷決定参照)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、全裁判官一致の意見をもつて主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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